相模原市 特定非営利活動法人|民間児童クラブの運営や学習困難児の研究会などの教育支援事業を行っています。
特定非営利活動法人 すがもキッズ
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子どもの発達障害支援への教育現場での取り組みを考える。

発達障害との共生社会

発達障害という言葉を耳にする機会がありますが、多くの場合その症状や対策について周知されていません。
発達障害と一言で言ってもADHDやASDなど様々な分類があり、発達障害から派生する二次的障害により日常生活に困難を与えていることも多数見られます。
二次障害にはパーソナリティ障害などが有名ですが、放置することで症状が悪化し過食嘔吐、リストカット、OD(薬の過剰摂取)、自殺行為などへと発展していく恐れがあります。APDなどの聴覚障害もワーキングメモリの不足などから発生しているともいわれ、発遠障害をもつ子供には見られる傾向です。
現在はインクルーシブ教育が推奨され、実施されている学校もあります。

インクルーシブ教育とは障害を持つ子供たちとそうでない子供たちを同じ環境下で育てることで、人間の多様性の尊重等を強化し、障害者が精神的および身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にするという目的があるようですが、これには周囲の協力が欠かせません。

発達障害を持つ子供は分かっているだけでも5〜6%と言われています。

しかし実際にはもっと多くの子供が潜在的にいるかもしれません。400人の生徒が集まれば最低でも20〜30人の発達障害児が含まれる計算になります。
この子供たちに対して学校や周りの大人はどのような援助をしているのでしょうか。
残念ながら放置されている状態では勉強も捗らず、提出物も期限を過ぎてしまうことが多いため、通信簿や生活態度の評価は最低限の1や2になってしまいます。
特に県立高校の入試では通信簿の占める割合が大きいため、1や2では受験では困難を極めてしまいます。
一生懸命に取り組んでいるのに、集中力が続かない、話が聞けない、忘れ物が続くなど場合には、子供の怠慢だけではなく発達障害を疑う必要もあるのです。
これらのサインを見逃して、誤った接し方を繰り返してしまえば二次的障害が発生して取り返せない事態に陥ってしまう可能性も考えられます。

WISC-Ⅳの結果は、発達障害などの診断と併用されることもある。

WISC-Ⅳとは知能検査の一つで、その検査結果は「言語理解・知覚推理・ワーキングメモリ・処理速度」に分類されて判定されます。
数値の開きによって診断されるが値に凸凹があるほど日常生活に支障が出ます。
特にワーキングメモリは、短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。会話や読み書き、計算などの基礎となるこの数値は、学校生活などにも影響が出やすいのです。メモリはコンピュータなどでも使われており、作業をするときの机の広さなどに例えられることが多いものです。例えば学校で先生からの指示があったとき、指示される内容が多岐に渡る場合には、同時に複数のことを処理しなければならず、広い机に資料を広げないと全体が見えなくなってしまいます。
ワーキングメモリの数値が低い場合には、机が狭いために全体を見て処理することができず、まるで先生の話をキチンと聞いていなかったり、怠けているかのように勘違いされるといったエピソードが多々あります。
こうしたことを、保護者面談などで担任の先生から指摘されたことなどはないでしょうか。

これらの子供に対し、先生が理解した上で接することができれば良いのですが、必ずしもすべての先生が、子供たちの状態を把握しているとは限らないため、場合によっては子供に対して不利益な結果となるような評価をされてしまうことも多いと考えられています。
しかしなから、通常の学校生活の中で教科担当の先生が特定の子供の状態について把握することは困難なので、保護者がキチンと子供の状態を理解し、学校側と情報共有することで子供に対する不利益な扱いは減少するものと考えられます。

発達障害についてどのような対応をしていけば良いのか。

人間は年を重ねれば目が悪くなったり、耳が遠くなったりしますが、眼鏡や補聴器のサポートによって普通の日常生活を送ることができます。
発達障害も重度なものでなければ、同じように周りの人たちの適切なサポートがあれば、普通の日常生活を送ることが出来るではないでしょうか。
自身に発達障害があることを公表している代表的な有名人は、野球界ではイチロー氏や長嶋茂雄氏、経済界ではビル・ゲイツ氏やスティーブ.ジョブズ氏、芸能界ではハリウッド映画のウィル・スミス氏、トム・クルーズ氏、日本の音楽界では米津玄師氏、過去の偉人の中ではダヴィンチやエジソンなども発達障害であったと言われています。
つまり、発達障害とは個人の個性と捉えることで、社会と共生する方法を考えて実践していくことが大切なのではないでしょうか。

これは、あくまでも代表的な例の1つに過ぎませんが、子供の症状は実にさまざまであることから、我が子の症状に合わせたオリジナルのルールや方法を見つけることも大切です。
育ってきた環境や子供本来の性格により、十人十色であると言えます。また、親子間の愛情によっても症状は大きく異なることもあります。家庭での愛情は発達障害の影響を増大させたり、場合によっては症状を抑え込む強大な力さえ持っているのです。
なぜならば発達障害を持たない子供でも、愛情不足により同じような症状が子供に現れることもあるからです。
家庭での愛情は、親が思う以上に子供の性格や考え方に影響を与えています。愛情とは物を買い与えたり、厳しいしつけをしたり、たくさんの習い事をさせたりではなく、家族と一緒に安心して過ごす時間をどれだけ持てたか?家庭が子供にとって、どれほど安心して過ごせる場所なのか?が、一番大切になってきます。
みなさんの家庭ではいかがでしょうか。
諸般の事情により、子供に不自由な生活はさせていないが、一緒に安心して過ごしてあげられない家庭は要注意となります。

どのように共存するべきなのかを具体的に考えてみましょう。

例えば、ワーキングメモリの不足などにより記憶があいまいになってしまう子供は、なるべく学校の先生から指示された内容を連絡ノートなどにメモに取る習慣をつけて、自宅に帰ったら必ず家族がそのメモを確認することで忘れ物を減らすことができます。
また、指示する側もまとめて多くのことを伝えることはせず、伝える内容を簡条書きにしたり、一つひとつの指示に対して番号をつけることで、情報を混乱させずに整理することができます。
さらに、言いっぱなしにするのではなく、何が伝わったかを確認することが大切です。教科の勉強だけでなく、これらの習慣を付けさせることも、「すがもキッズ」では大切な教育の一部であると考えています。

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