所得や性別、年齢、性的指向、人種、階級、民族、宗教などを理由とする不平等は世界各国の中で、そして各国の間で根強く残っています。
その中でも、障害の有無については理解されることが難しいものの一つです。
特に「発達障害」は耳にする機会はあるが、多くの場合その症状や対策について周知されていません。
発達障害またはグレーゾーンと呼ばれる子供は、わかっているだけでも5〜6%と言われており、実際にはもっと多くの子供た潜在的にいるかもしれません。
400人の生徒が集まれば最低でも20〜30人の発達障害児が含まれる計算になります。
また、発達障害への正しい知識がまだまだ周知されていないため、大人たちが誤解してしまうケースも多く見られます。
お子様の学校での評価について、本人は一生懸命にやっているのに「集中力が続かない」「提出物の期限を過ぎてしまう」「話が聞けない」「忘れ物が続く」などで通信簿や生活態度が最低ランクの1や2になってしまうことがあります。
特に県立高校の入試では通信簿の占める割合が多いため、受験では困難を極めてしまうことになります。
原因として、「子供の怠慢」だけを疑うのではなく、これらを発達障害のサインとして見受ける必要がある可能性があります。
このサインを見逃して、誤った接し方を繰り返してしまえば「二次的障害」が発生して取り返せない事態に陥ってしまう可能性も考えられます。
しかしながら、通常の学校生活の中で教科担当の先生が特定の子供の状態について把握することは困難なので、保護者がキチンと子供の状態を理解し、学校側と情報共有することで子供に対する不利益な扱いは減少させることができます。
では、実際にどのような対応をしていけばよいのか。
人間は年を重ねれば目が悪くなったり、耳が遠くなったりしますよね。しかし、眼鏡や補聴器のサポートにより普通の日常生活を送ることができます。
発達障害も過度なものでなければ、同じように周りの人たちの適切なサポートがあれば、普通の日常生活を送ることができるのではないでしょうか。
発達障害として確定診断されないグレーゾーンの子供たちほど、実は周りに見えない苦労に悩まされています。
発達障害やグレーゾーンは個人の個性と捉えて、社会と共存する方法を考えて実践していくことが大切だと考えています。
発達障害やグレーゾーンの子供たちについて正しく理解していただくため、講演会や相談会、情報交換会を定期的に実施しますのでお気軽にご参加ください。
すがもきっずでは心理カウンセラーも在籍しておりますので、お子様の変化に気づかれましたらお早めにご相談ください。
神奈川県スクールカウンセラー
林 幹夫
臨床心理士・公認心理師
通信制高校の授業やレポート作成を補助するサポート校で、1998年の開校から運営責任者を務め、授業だけでなく保護者や子供等とのカウンセリングにも多く関わりました。
2008年からは巣鴨アドバンススクールにて国際交流や進学指導の傍ら、保護者や子供たちのメンタルケアに重点を置いた対応を心がけ、交流分析を中心に自我状態を把握、人生態度の改善を促すことで家族間のストレス軽減も目指しています。
西村 学
メンタル心理カウンセラー/上級心理カウンセラー
高校教員を目指し教員免許を取得しましたが、より幅広い子供の教育に関わるため、1998年から学習塾で小学生から高校生の教育に携わりつつ、2019年よりNPO法人すがもキッズにて、放課後児童支援員・カウンセラーとして、学童指導とメンタルケアを行っています。
今、抱えている問題を一緒に解決を目指しつつ、どうしても解決できないことは受け入れ、ポジティブに進むためのサポートをしています。
久保田 務
メンタル心理カウンセラー/チャイルドカウンセラー
WISCTM-Ⅳを利用して、より詳細な情報を集めることで、子供たちの状況を把握できるように準備をしています。
このような情報を一つの指針として、今後の方向性や未来の計画に対して、子供に見合ったサポートをすることを目指しています。
子供の症状は一人ひとり違うものです。その子の症状に合わせたオリジナルのルールや方法を見つけることも大切です。
家庭での愛情は発達障害の影響を増大させたり、場合によっては症状を抑え込む強大な力さえ持っています。
親・子供がともに現状を把握し、社会活動の中で共存することができるようサポートしていくことが大事なことだと私たちは考えています。